songdelay

踊る!ディスコ室町のギター

磔磔で柴田聡子 in FIRE を見た

それまで全く聴いたことがなかったのけど、『雑感』という曲がめちゃくちゃ良くてそれ以来めっちゃ聴いてる柴田聡子。

この曲がめっちゃ良いなと思ったのは、2020年から(もう2年!!)やっぱりわれわれ大変やったよな、しんどかったよな、辛かったよな、ということを再確認できたからだと思う。しかもその辛さは「みんなも辛いから」みたいな形で蓋をされ続けてきて、なんでもないように振る舞い続けてきて、自分でも気づけなくなっていた。感覚が麻痺していて、自分が興奮してんのか落ち込んでるのかわからない。

歌詞に直接そういうことが書かれているわけではなくて、あくまで自分がそう受け取ったということなんだけど、ライブグッズのブックカバーのオマケについていた文章「『ぼちぼち銀河』とは何かを今考えてみると」(4500字!)にも割とそういう(たぶん)ことが書かれていて、やっぱそうだよな〜〜〜と感じいった。2021年8月、やっぱ意味わからんかったよな。試されていたよな。人類全員で構成されているチームの一員であることを感じたよな。


そんなわけでライブで聴いてもメッチャ良かったです。

シバッチャン、今まで聴いてなくてごめん!今後は心して聴きますので!

www.youtube.com

堺と古墳の記事

少し時間が経ってしまいましたが、DPZで古墳の記事を書きました!


dailyportalz.jp


なんせ堺は地元です。正確にいうと実家は南隣の高石市というところにありますが、伝わらないので南大阪以外で話すときには堺市を地元と紹介しています。就学前までは住んでいたし高校も堺に行っていたから間違いではないでしょう。記事でも触れていますが、古墳群をぬうように自転車で走り回っておりました(塾が近かった)。


記事中で「近くで見てもよくわからん」と言っている大仙古墳ですが、まじで巨大です。

今は小高い森のようになっていますが、かつては朱塗りの瓦で覆われてビカビカに輝いていたそうです。3万体の埴輪に囲まれていたらしい。多すぎる。


なんでそんな巨大でビカビカの墓を作ったかというと、外交上の都合があった。


5世紀当時、日宋間で大使を送り合う際の主要な港は堺。中国からの勅使が到着する場所の正面に大仙古墳は建てられたんですね。日本に着いた瞬間に王のパワーを見せつける、対外的な権力誇示のためのものだった(という説)。

知人が飛行機から撮ってくれた写真で見ると、海が近いのがよくわかります。


そんなわけでエッホエッホと古墳を作りまくっては盛り上がっていた堺ですが、織田信長とかが暴れていたころまで盛り上がり続けるものの、その後大和川の付け替えによって水運ルートが変わり、ちょっと盛り下がってしまったようです。

それまでは、古墳時代に集まった鉄職人たちが脈々と鉄製品(刃物や火縄銃)を作ったり、千利休がワビサビとか言ってブチアゲていたわけですが。秀吉許すまじ。


高校の先輩には与謝野晶子がいて夏休みには短歌の宿題が全校いっせいに出されていたとか、そういう地元トークは今後小出しにしていきたい。

ちなみに赤い矢印は古墳です。多すぎる。

モンゴル武者修行公式ZINE『羊と自分が同じ直線上にいる』を作って、販売しています(1年前から)

sites.google.com


タイトルのとおりですが!

ブログの記事中にいきなりリンクを貼ったり、バンドの物販で売ったりしているけど、なんだこれと思っている人もいるかと思います(そうでない人は今思ってください)。

なんやかんや詳しく告知するタイミングを逃していたので、ちょっと紹介させてください。



「モンゴル武者修行」とは

「モンゴル武者修行」は、モンゴルで遊牧民に弟子入りして、現地の文化や雰囲気を体験するワークショップです。

ZINEはその参加者有志で作りました。わたしは2019年の第29回に参加しまして、制作メンバーもほとんどが同じ回の参加者。

草原でのパートナーは馬
動物と仲良くなれる能力をいかんなく発揮

旅行会社のツアーで行く海外旅行のように名所で解説を聞くのではなく、実践的に遊牧民の技を習います。

参加者のほぼ全員が乗馬未経験ながら、草原にいる間は毎日馬に乗るし、その先で移動式住居ゲルを組み立てて泊まったりする。食べ物の作り方も習うし、その材料となる羊の解体も見学します。

手にしているのが羊さん(解体直後)

前の日まで毎日地下鉄で通勤したりしていたのが、いきなり草原で馬移動、ゲル泊になるわけですからインパクトが大きいです。開放感がすごいし、生活の色々を見直すキッカケになった。そもそも遊牧生活がベースになっている社会は、われわれの社会とは基本の考え方が全然ちがう。

どんな内容なのか

「モンゴル武者修行」全7日間のようすを紹介するエッセイ(わたしが担当しました!)のほか、遊牧民が飼っている家畜の解説やゲルの建て方の図解などのコラムを掲載しています。建築や現代アート、食品など、さまざまな目線から旅のようすが伺えます。

現地アーティストのアトリエを訪問して絵を買った


また、シンガーソングライターの寺尾紗穂さんにも「モンゴル民謡と私」と題したコラムを寄稿いただきました(のちに著書『天使日記』にも掲載)。帰国後にモンゴル語を習得されたそうで(耳がいい!)、ライブでもモンゴル民謡を歌われています。


わたしが書いたエッセイ部分はこのブログに書いた4つの記事を大幅に編集したものです。元記事は現地で取ったメモを起こしているので長大すぎて読みにくい!だいぶ手を加えています。

現地で撮った写真も掲載。ページの真ん中に持ってきています。Webの読み物っぽい感じがあっていいでしょう。

製本を工夫しました!

どこで売っているか

全国の独立系書店で販売している(冒頭に掲載したHPに一覧あり、通販している店舗もある)ほか、わたしのバンドの物販に並べたりもしています。取り扱い希望の書店さんも募集しております!

また、愛知県の音楽イベント「森、道、市場」に出店したりもしています(メイン商材はゲル)。

直近では、名古屋で開催中(2022年6月8日~8月13日)の「港まちアートブックフェア2022」にも出品しております!


ちなみに、ZINEには「モンゴル武者修行」の5000円割引券も付いています!

ZINEを読んでみて、モンゴル行きてえなと思ったら使えますのでお得です。*1




このご時世ですから海外旅行なんてものはすっかり忘れてしまいそうになりますが、いつもとちがう文化圏を体感するというのはめちゃくちゃエキサイティングで楽しいことです。そして、そこで得た情報を持ち帰って広めるというのは旅人の務めでもあります。

そんなわけで、興味を持たれた方はぜひ手にとってみていただきたいところです!


今年はついに入国制限なしでモンゴルに渡航できるようになりました。この夏はモンゴルのゲルからリモートワークでもしたいと考えています。そうなったらまたどんな様子かお伝えいたしますので!

*1:「港まちアートブックフェア」では特別価格での出品につき、割引券付属いたしません!

村上春樹みたいに

昨日・今日と早起きして、朝から原稿を書いていた。

やってみると、そこそこ順調に進む。迫っていた締め切りにもなんとか間に合った。

朝から原稿に向き合ってみるのが新鮮で「村上春樹みたいだな」って一人でウケてみたけど、実際には村上春樹を見習って早起きしたわけではない。日曜の晩に「夜中までやるぞ!!」と思っていたのに、ちょっと横になったところ気付くと朝5時になっていたので仕方なくそのまま作業を再開した、というのが真相だ。

しかしやってみると捗ったし、今日も早い時間に起床できたので引き続きキーを叩いたり写真を調整したりしていた。

これが習慣になったら本当に村上春樹みたいな生活ができるかもしれない!と思ったりもしたけど、村上春樹は早朝から文章を書いたあとに8時間アルバイト勤務に入ったりしない。めっちゃ眠い。

健康診断

健康診断で問診を担当してくれたお医者さん(おじいさん)がとんでもなく明るい人だった。


「オッいい音!」(聴診器をあてながら)

「これはいい数字!」(カルテの数字を見て)


と褒めてくれて、最後は


「若いし!この調子でいきましょう!」

「健康のためには運動がいちばん!」

「暴れまわってください!」


と捲し立てるように言われて終了した。

なんかめちゃくちゃ褒められた(?)ので、朝から元気になった。

健康診断に行って元気になったのは初めて。得した気分です。


帰りにセブンイレブンで、くどうれいんが発行しているネットプリントを印刷して帰宅した。
おれもネットプリントで何か出そうかな。



オートバイ修理技術

基本的に、生活範囲のことは何でも自分でやってみるのがよいことだと信じている。今日はバイク(スーパーカブ110)のエンジンオイルを交換して、ついでにチェーン調整にも挑戦した。チェーンの適正な「たるみ」は15~25mmなので、その範囲に調整する。調整前はたぶん40mmとかになっていて危なかった。

試しに近所を走ってみたらメチャ調子良く走る。ダルダルにゆるんだチェーンを適正な張り具合に調整したので、キリッとした走りになった。アクセル操作に対してレスポンスがよくなった感じ。逆に今まではエンジンのパワーを激しくロスしていたのだろう。


ちょっと前に『禅とオートバイ修理技術』を読んでから、やっぱりバイクのメンテくらい自分でやるべき、と思って考えてみると、購入してからエンジンオイル交換以外のメンテナンスは全く行っていないのだった。学生のときに乗っていたスズキST250から今のカブ110に乗り換えたのが2017年なので5年もノーメンテ、改めて考えるとおそろしい。

バイク屋さんに頼むのが楽で確実なんだろうけども、初めてチェーン調整の仕組みを調べると案外自分にもできそうで、実際できた。

自分でメンテができるとバイクにとっても良い(走行しやすくなる、燃費が良くなる、長持ちする)し、自分にとっても良い感じがする。自己効力感が高まるというやつだ。新たにできることが増えたので嬉しい。

まあ、もしかしたら今日のチェーン調整を大失敗していて、堀川通りを60キロで走っている最中にチェーンがブチ切れてしまう可能性だってある。が、それはバイク屋さんに任せていたところで確率が違うだけだろう。その確率差は自分の能力が高まれば縮まっていくはずだし、異常を察知する能力が高まるぶん、人任せにせずに自分でやったほうが安心な場合もある。


エンジンオイルの缶はデザインが変わっていて、ローソンで売ってそうな感じになっていた。ローソンのパッケージデザイン、インターネットでは不評だったようだけど、自分はけっこう好きだ。ホンダウルトラG1の新デザインも好き。

知らんおじいさんと指す将棋(2戦2敗)

地元のデカい公園を歩いていると、ベンチで将棋を指しているジイさん連中を発見した。
対局中がひと組と、パチパチと駒を空打ちして暇そうにしているのがひとり。

実は2年前に将棋を始めて以来、公園の野良対局に参加するのが密かな夢だったのだ。
見つけてしまったからには、1局お願いしたい。

勇気を出して、暇そうにしているジイさんに「1局どうですか」と声を掛けてみたら、
「おお、やろか」と快く引き受けてくれた。

アプリ(将棋ウォーズ)では毎日対局していても、実際に盤を挟んだ相手と向かい合うのは初めてだ。
若干緊張しながらプラスチックの駒を並べる。

「学生さんか?いくつ?」
「27です」
「えらい、わこう(若く)見えるなあ」
「いやそんなことないですよ。いつもここでやってるんですか?」
「うん、年やさかい、仕事もしてなくて暇やしな」

ベンチの脇には将棋盤を収納するスペースまで作っており、連日ここに集まっている様子。
ポツポツと話をしながら、序盤は定跡どおりサクサク進んだ。
戦型は先手のジイちゃんが右四間飛車(めちゃ攻撃的な作戦)、後手のわたしが四間飛車の対抗形。

「いやわからんな」
「これは受けなしゃあないな」
「銀が浮いてるがな」

中盤のねじり合いの途中、わずかに優勢だと思った局面もあったが、最終的にはガッチリ固められた先手玉の急所がわからないうちに、いつのまにか寄せられてしまった。

「いや強いですね、棋力どれくらいですか」
「普段は初段用のソフトと指して五分やな」
「それは強いわ、ぼく1級やし香車くらい落としてもらわな」
「いや、平手でもう一回や」

ハンデくれへんのかい、と思いつつ先後を入れ替えて2戦目。またも右四間飛車四間飛車。今度は仕掛けられる前に工夫したつもりだったが、なにか計算を間違えたようで中盤からあっさり敗勢に。いちおう寄せられるところまで指して投了。

「いや強い」
「ふふ、またおいで」
「リベンジしに来ますわ」

初対面のおじいさんと共通の言語を持ってコミュニケーションした感じがして気持ちよかった。
「棋は対話なり」と言うけども、対局を通してたしかに相手の性格を感じ取ったような気がする。とにかく一点突破な感じがするおじいちゃん。


人の内面は目に見えないが、こうやっていろんな媒体を通すことでその一部がわかる。そういう瞬間が好きだ。
他には文章とか、音楽のアンサンブルでもわかる。きっとスポーツとかでもそうなんじゃないかと思う。趣味を増やすと、そういうチャンネルが増える。



とはいえ、勝負に負けたことは大変悔しい。
こうやって誰々に勝ちたいからこの戦型を研究しよう、という思いを重ねて強くなるのだろうな。スマホアプリで指しているだけではわからない感覚。

四間飛車に対応できたら初段になれそうでもある。初段になると名人・竜王直筆の免状がもらえる。藤井聡太直筆の免状。欲しい。

ジジイ、いつか絶対たおす!それまで長生きしろよ!