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踊る!ディスコ室町のギター

本の帯は広告だから捨てる

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買ってきてテーブルに置いといたら帯がうざったく見えてきた。 帯は広告なのだ。本屋の数万冊の本のなかから「我を買え」とアピールするための広告。本来の装丁を台無しにしてくれる。 買ってしまったら帯はもういらない。広告は役目を終えている。帯は全部捨てましょう。

週報 2024/03/10 脳裏のおじゃまぷよを消し続ける生活 - しゅみは人間の分析です


これは本当にそうだと思ったし、自分も帯を外してみて「こんなにいい装丁だったのか!」とびっくりしたことがあった。

まずは椎名誠『シベリア追跡』(小学館)。読み終わったあとにふと帯を外してみたら、凍りついたお馬さんの顔がバーンと目に入った。古本屋で買ってからしばらく寝かせてしまった本だけど、この装丁を見ていたらもっと早く手をつけられたはずだ。馬さむそう。


それから、山野井泰史の『垂直の記憶』(ヤマケイ文庫)もひどい。切り立つ巨岩に向かって行く後ろ姿が不安を感じさせる最高の写真だが、帯をしていると山野井氏が隠れてしまって、なんか熱帯魚の水槽みたいに見えてしまう。帯も大したこと書いてないように思うけど、この帯をつけることで売上がアップするのかなあ。


どちらの本も帯が付くことによって、なんだかよくわからなくなってしまっている。ちなみに内容は最高なので、両方買って、帯は捨てるのがおすすめ。

自分はどちらかというと本の帯は大事に取っておいてしまうことが多かったけど、今後は臆せず捨てるようにしたい(もしかっこいい帯が付いているときは残す)。帯を大事に取っておくのって「いつか売るかも」とか考えていた頃の名残のような気がする。