songdelay

踊る!ディスコ室町のギター

クライマーみたいな腕と恐竜みたいなパーカッション

きのう木屋町のアバンギルドというところで、折坂悠太(重奏)のライブをみた。

重奏バンドでパーカッションを叩いている宮坂くんの友達と一緒に行ったので、開演前に彼の学生時代の話とかを聞いたりしていた。だからライブ中も、自然と彼の演奏に注目して見ることになる。

それで見ていたら、タンバリンを振るためにまっすぐに伸ばす腕はゴツゴツした崖を登るクライマーみたいで、その両腕がコンガやボンゴをボコボコ叩いている様子は恐竜みたいに見えた。これは詩的に表現してやろうと思ったわけじゃなくて、最近自分が山野井泰史の映画を見たり、夜寝る前にNHKオンデマンドで恐竜の番組を見ていたからそう感じたんだと思う。感性って直近の経験に基づいてるものなんですな。

でもそのイメージって完全に的外れなものではないというか、楽器をプレイするのって高度な運動能力が必要なことで、特にパーカッションって体を大きく使うから(少なくともギターよりは)、どこかで登攀と通じるものがあるのかもしれない。恐竜も高度な運動をしていただろう。

バンド全体も、なんか生き物みたいな演奏をしていた。これまでアルバム『平成』の頃の曲を聴くとき、わたしはなんとなくモンゴルで馬に乗っているときの風景を思い出していたんだけど、今回のライブはもっと猛々しい動物みたいな演奏だった。熊の相撲みたいな。牛の群れが走るような。それこそ恐竜みたいな。そういえば音楽のライブって「聴きに行く」じゃなくて「見にいく」っていうことが多いけど、実際それも間違ってなくて、なにかが起こるのを見に行っているんだろうな。