songdelay

踊る!ディスコ室町のギター

なにで食ってるかわからない人

音沙汰とアジアの星くずたち、というユニットのライブを千本北大路で見た。

かなり小さい会場で開演ギリギリに行ったけど、意外と最前列の席が空いている。空いたままにしてたら寂しい感じがしそうだったので座った。そしたら演者との距離がメチャ近く、客としてはかなりのレベルで緊張した。

自分がライブをするときにも、たまーーにお客さんが近すぎてどこを見たらいいのかわからないことがあるけど、お客としても近すぎると、どこに視線をやったらいいのかわからなくなるもんですね。


それで、客として緊張するってどういうことだろう、と思って考えてみると、それはある意味で自分がそのライブに影響を与えるからだ。客がつまらなそうにしていたら演者は不安になるし、逆に客がノリノリだと演者は安心して演奏できる。

つまりライブというのは少なからず演奏者と客のあいだで相互作用があるもので、お金払って見てんだぞと受け手に回るのはもったいない。いいライブを見ようと思ったら、お客としてもいい振る舞いをする必要がある……といったら言い過ぎかもしれないけど、とにかく演者をノセたほうがいいライブを見られる、いい空間を作ることに貢献できることは間違いない。過剰に盛り上げる必要はないけど、いいライブを見たほうがお得だとは思う。

もちろん、そんな空気を自然に作り出すのがスターであり、場を支配するのはプレイヤーの腕の見せ所ではある。けど、1万人入っているコンサートでも1万分の1の、100人しか入らないライブハウスでは100分の1の空気を作っていることは確かなのだ。

最近フジロックの配信が盛り上がっていたときにも思ったけど、配信だとその責任がなくて、つまらないと思う。せっかくライブ見るなら、影響を与えたいし与えられたいでしょう。



こんな理屈っぽいことは帰りのバスで考えていたことで、ライブはスカッとした演奏でめっちゃ元気でた。アンコールでSMAPの『俺たちに明日はある』をカバーしていて最高、真夏さんが「みんなも友達とカバーするといいよ」って言ってたのをちょっと本気にしている。

終演後にお客で来ていた人たちと話していると、今週アフリカから帰ってきたという人がいた。9ヶ月もアフリカにいたらしく、日本って、京都って最高!とずっと言っていてなんかよかった。

京都にいると、お仕事何してるんですかと聞かれたときに「適当にやってます」みたいな回答でも許されますよね、何で食ってるかわからない人いますよね、という話になって、非常に納得した。自分も最近は編集・ライターのアルバイト(在宅)とWebライターとバンドマンと、みたいな感じなので、お仕事何してるんですかと言われたら毎回どう答えるか迷っていた。これからは「適当にやってます」と言おう。


学生の頃は先輩バンドマンたちを見て、この人たちは何で食ってるんだろうと思っていた。今はたぶん、自分がそう思われている。