MISIAの大名曲、「つつみ込むように・・・」。
みなさんご存知でしょうか。1998年発売のヒット曲で、2018年末の紅白歌合戦でも紅組のトリ前で披露され、年末の大団円を感じさせてくれたあの曲です。
僕も好きでよく聴いていますが、1つだけ、気になってしょうがないことがあります。
それは、ビブラスラップが多用されまくっていること。
なんとなく知っている人も多いかと思います。
叩くとカ〜〜ンと、ブルブル震えながら独特の音がするアレです。
もちろんJ-popの曲にもよく登場するんですが、だいたいはパーカッション(打楽器)のひとつとして、要所要所で鳴らされます。
サブちゃんの「与作」でも鳴ってますね。
しかし、「つつみ込むように・・・」では、5分51秒の曲のなかに72回もビブラスラップが登場します。
ちょっと尋常ではない数です。
これに気づいてからは、気になりすぎて曲が頭に入ってこないようなときもありました。
どこに登場しているか、一緒に聴いてみましょう。
(以下、シングルバージョンより書き起こしています)
(注:できればYouTubeのMVでなく、Apple MusicやSpotify推奨です!理由は後述)
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◯イントロ(0:00〜)12回
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
★ ★ ★★
★
のっけからブチアゲ街道を邁進するイントロ。
ホイッスルボイスにも注目が集まりますが、実はなんとこの部分だけで12回もビブラスラップが登場しています。
なお、曲のスタートから7秒目までで8回も登場しており、開始早々いきなりの瞬間最高ビブラスラップ(1.14回/秒)を記録。度肝を抜かれます。
◯1Aメロ(0:38〜)2回
★雨上がりの道を カサさして歩いた
★水鏡にうつそう 幼い子供みたいに
Aメロでは控えめに2回。
雨は上がっているのに傘をさしているんですね。恋人とアイアイ傘でもしているんでしょうか。
お気づきかと思いますが、歌詞中の★はビブラスラップが鳴っている部分です。
◯1Bメロ(1:02〜)9回
★いつからか大人ぶっていた 毎日に慣れてしまって
ただ素★直に 感じあえること
遠ざ★け 追いか★け 迷い★続けるのさ
★ ★ ★ ★
徐々にビブラスラップの頻度が上がっていきます。
最後のキメにはパンが振られており、左右の耳にブチ込まれます。サビに向けてテンションも最高潮。
◯1サビ(1:28〜)5回
恋人★と呼びあえる時間の中で
特別な言葉をいくつ話そう
夢に★花 花に風 君には愛を そして孤★独を★
包み込むよう★に
曲のテンションは最高潮に達していますが、以外にサビのビブラスラップは音量小さめです。
コロナが明けたら、クラブでこれ聴いてブチ上がりたい。
◯2Aメロ(1:58〜)2回
★指からめかわした あの日の約束
★今も心の中 カギかけて温めたいね
2番のAメロの前半だけ、ボーカルに薄くディレイがかかっています*1。甘い記憶を思い出している最中の浮遊感を感じさせるよう。
ビブラスラップはディレイもリバーブもかかっていないドライなサウンドです。
◯2Bメロ(2:21〜)9回
★いつしか大人の恋に 臆病になってしまって
出会う★たび さよなら来ること
考え★て 怖が★って 逃げ★続けてるのさ
★ ★ ★ ★
やっぱりサビ前に左右からビブラスラップをキメられると、どうしてもテンションはブチ上がってしまいます。
なお、YouTubeのMVではステレオ処理がうまくいっていないのか、左右から迫ってくるビブラスラップが感じられません。なのでApple MusicやSpotifyをオススメした次第です。
◯2サビ(2:49〜)5回
★誰も皆 満たされぬ時代の中で
特別な出会いがいくつあるだろう
時に★羽 空に青 僕に勇気を そして命★を★
感じるように★
1番と同じくビブラスラップは5回。
「誰も皆満たされぬ時代」ってすごい歌詞ですね。最高です。
「感じるように」と歌い上げる裏で、それまでモリっと丸い音で弾いていたベースがバチバチと鳴らすスラップにもシビレる!
◯サックスソロ(3:19〜)4回
★ ★ ★★
情熱的なサックスソロのバックにも、しっかりビブラスラップ。
◯落ちメロ(3:42〜)11回
★明日が見えなくて 一人で過ごせないよ
もがく★ほど 心焦るけど
音も★なく 朝が★来て 今日が★また始まる★
★君を守りたい
★ ★ ★ ★
さあやってきました。やはりビブラスラップには、サビ前の盛り上がりを演出する役割があるようです。11回。目が覚めるようです。
君を守りたい!
◯大サビ(4:19〜)4回
★恋人と呼びあえる時間の中で
特別な言葉をいくつ話そう
夢に★花 花に風 君には愛を そして明日★を★
包み込むように
もうここまで来るとビブラスラップを数えるより、MISIA大先生の歌声に身を任せたくなりますね。
しかし気を保って数えました。4回です。
◯アウトロ(4:43〜)9回
★ ★ ★★
★ ★ ★★
★(フェードアウト)
アウトロにもしっかり9回登場し、カウントを伸ばしていきます。
3まわし目からフェードアウトに入っていきますが、アタマの1回はハッキリと聞き取れるのでカウントしました。72回目のビブラスラップが入り、静かに曲は終わっていきます。
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「つつみ込むように・・・」、最初はビブラスラップを数えていただけだったんですが、聴けば聴くほどいい曲すぎて震えます。
しかし、なぜこんなにもビブラスラップが入っているのでしょうか。
一般的な曲ではクラッシュシンバルやスプラッシュシンバルが入っていそうな箇所に、ことごとくビブラスラップが登場するので驚きます。
カップリング曲(「Never gonna cry! 」)や、あとに発売されたシングル(「陽の当たる場所」「BELIEVE」)でもこんなアレンジはされていません。
ただ、珍しいアレンジであることは確かですが、素晴らしいアレンジであることもまた確かです。
リズムマシンのようなドラムの音色と生音のビブラスラップが絶妙に溶け合い、お互いを引き立てていく様は発明とも言えるでしょう。やっぱり大名曲です。
他にビブラスラップが多用されまくっている曲がありましたらぜひ教えてください。
ちなみにWikipediaを見て知ったんですが、ミュージックビデオには、バックダンサーとしてあのMAKIDAIさんが参加されていたそうですよ。
ちなみに②、さかいゆう氏のカバーバージョンでも、ビブラスラップの挿入が踏襲されています(51回)。
おれもビブラスラップを入れまくった曲つくってみたい。
*1:正確には1番のAメロもディレイがかかっていますが、ディレイタイムが違いますね