songdelay

踊る!ディスコ室町のギター

赤ちゃんはことばをどう学ぶのか(針生悦子)

 

赤ちゃんはことばをどう学ぶのか (中公新書ラクレ)

赤ちゃんはことばをどう学ぶのか (中公新書ラクレ)

 

昨年初めての海外旅行(夏にモンゴル・年末に台湾)をしてみて改めて言葉って不思議だなーと思った。その土地で育てば誰でも習得できるはずの言語が、よその人には難しいのは何故か。

そもそも母国語だって簡単にマスターしたわけではなく、色んな苦労を経て覚えていったんやで、みんな忘れてるけどな…というのがこの本の内容。

そもそも赤ちゃんは言葉という概念すら知らずに生まれてくるので、意味不明な音の羅列から単語を聴きとったり、名詞や動詞みたいな概念を何となく感じたりしながら言葉を操るようになっていく。

ただそれが苦労らしく見えないのは、声を発したり単語を覚えたりというレベルアップの度にめちゃくちゃ喜んでくれる大応援団(大人)が側にいるからだ、という一文にはナルホドと思った。当たり前だけど褒められたら嬉しいもんね。大人の言語学習もめっちゃ応援してくれる人がいればモチベーションは維持されるよな…

発達心理学の実験例がどんどん紹介されており、易しい論文という感じで読みやすかった。

幼児教育で英語の学習教材なんかも流行ってるけど、オーディオとかビデオで外国語を聴かせても子供にとっては謎の雑音くらいにしか聴こえてなくてあんまり意味ないみたいな実験も紹介されており、これは幼子のいる家庭は参考してみるとよいかもしれません。ちなみに外国語を話す大人に遊んでもらうのは効果ありとのことです(リスニング能力)。生きたコミュニケーションが大事なんだな。

昨年の海外旅行で言葉が通じない人とのコミュニケーションをほぼ初めて体験したけど、その分、自分の伝えたいことが伝わることって嬉しい・楽しいことなんだな…と、たぶん言葉を覚えたときぶりに実感した。この感覚を維持することが言葉を学ぶ、特に話せるようになるためにほ一番大事なのかもなーと思った次第。