原稿を書くとき、直前にどんな本を読んでいたかによって自分の文章のテイストが変わることに気がついた。文体がインストールされるのだ。むずかしい本を読んでいたら小難しい感じになりがちだし、軽めの文体のエッセイを読んでおくと楽しい雰囲気になりやすい。
自分はどちらかというと後者の雰囲気で書きたいことが多いので、じゃあ意識的に読んでおこうと思って買ったのが椎名誠69冊セットである。メルカリで6,299円だった。
今年の後半はブログをよく更新するようになったけど、それは69冊セットを順番にどんどん読んでいたからだと思う。たくさん読んでいるとたくさん書きたくなるのだ。
30冊くらい読んでみたら同じエピソードをいろんな本に書いていたり、明らかに締め切りに追われて書いたであろうメチャクチャな構成のエッセイがあったりするのがわかって、読者としてはウーンと思っても書き手としては励まされる感じがある。「これ前に書いたかも……」とか思って手が止めずに済む。
なにかのエッセイでは「東京のトイレの位置をまとめた地図をつくるといいんじゃないか」とか書いていて、この人もあと30年遅く生まれていたらDPZみたいなサイトを作っていたんじゃないかと思った。デイリーみたいな文章の元祖でもあるしモンゴルのこともよく書いているし、ともかく偉大な先輩である。
69冊セットを買ったあとに44冊セットと野田知佑9冊セットを買い足したので、しばらくは文体のインストールに困らない(置く場所にはちょっと困っている)。たくさん読んでたくさん書こう!
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