17日からモンゴルにいます。ツーリストキャンプ5泊、ウランバートル3泊を経て、今日からはハラホリンという町の近くで遊牧民宅にホームステイさせてもらっている。
ここではリモートワークができるかどうかを2泊3日で実験する予定。これがうまくいけば、旅行で来る人が平日に最低限の仕事をこなしつつ、あとは乗馬をするとかして過ごせる。草原への滞在が長めに取れるようになるはず。今のところ、4G通信が実現しています。これはこれで恐ろしいんですが。
話は変わって標題の件ですが、草原にいるとウンコについて考える時間がけっこう長い。というのも、モンゴルの遊牧民は家畜のフンをいろいろなことに使っているからだ。
パッと思いつく使用例を挙げてみると、
- 乾燥したものを拾ってストーブの燃料として燃やす(燃料)
- 乾燥したものを床下や家畜の寝床に敷き詰める(断熱)
- ゲルと地面のすきまに塗りこむ(建材・目地材)
などがある。草原には家畜たちのウンコが大量に落ちているが、ステップ気候の乾いた風によってすぐに乾燥してしまうし、そもそも自然に生えている草しか食べていない(合成飼料を食べていない!)ので、イヤなニオイはしない。
寒い夜に向けて燃料用の牛糞・馬糞を集めて続けていると、オッよく燃えそうやな! という感じで、ウンコを見つけることがだんだん嬉しくなってくる。昼間、ウシがドサドサとウンコを落としているのを見ても、明日はあそこから拾ってこられるな、みたいな気持ちになる。ウンコを見つけるのが嬉しくなってくる……。
ちなみに牛たちは、馬糞を食べることもある。最初に見たときはちょっとギョッとしたけど、それなりに見慣れるものでおもしろい。詳しくはわからないけど、ウマの腸内細菌を利用しようとしているのか何なのか。とにかく、なにかが循環している。
ところで私たちのウンコはというと、とにかく早く目の前から消えてもらうことが是とされている。特にわれわれ日本人のトイレ事情を見るとそれは顕著で、自分のウンコをまじまじと見つめることもあんまりない。
そんな折に草原でウンコをしてみたら、しばらく便秘をしていたのもあって、巨大なウンコが出て感動した。漫画みたいなトグロを巻いとった。そして、乾燥したらよく燃えそうやな! とか思った(草ばっかり食べてるわけじゃないので、わたしのウンコは燃えません)。
よく眺めると(いまさらながら、汚い話になってきてスミマセン)、長いフンの中に色の変化があって、この数日間に食べたものを反映しているのを感じる。というか、実際そうであり、いつもそうであることは間違いなく、私たちが見ていないだけのことである。
100%グラスフェッドの羊のウンコは100%草の香りであり、100%ビッグマックフェッドの人間がいるとすれば、そのウンコはそれなりのニオイになるであろう。
You are what you eat(イギリスのことわざ「あなたは、あなたの食べたものに他ならない」)とはまさにこのことや。草原でウンコを観察していると、なにを食べるかというのは、けっこう真剣に考えたほうがいいように思えてきた。