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踊る!ディスコ室町のギター

モンゴル武者修行の記録③ 話しすぎてしまい反省して寝る

 

(前回の続き)

 

 

今さらながら書き始めたモンゴルレポート。2019年7月のモンゴル武者修行ツアーについて書いています。当時を思い出し過ぎて、最近はよく馬に乗っている夢をみる。

草原生活もいよいよ最終日。この日は旅行者用ではない、実際に遊牧民が住んでいるゲルを訪ねた。

 

 

 

◯7月15日(5日目)

今日も筋肉痛と打ち身の痛みとともに目覚めた。延長コースに参加しないみなさんは最終日だ。

この日も午前中は再び乗馬訓練。乗馬は昨日で終了の予定だったが、まだまだ馬乗りが上手くなりたい我々のたっての希望で特別カリキュラムが組まれた。

 

馬に乗った状態で並んで記念撮影してから出発。しかし人間はやる気満々なのだが、馬はあまり進んでいこうとしない。働きに出かけるのが憂鬱なのは人間も馬も一緒なのか。

昨日仲良くなったアノンくんが各自の馬にムチをいれてまわってくれる。モンゴル乗馬のムチは長いヒモだ。チョウ!と掛け声をしながらパシッと叩くと、馬たちはいやそうに前に進みだす。

僕の馬も歩調がゆっくりになりつつあったので試しにヒモを貸してもらうと、持っているだけで馬が急にキビキビ歩き出した。ムチに敏感な馬だったようだ。脅しているようでなんだか申し訳ない気持ちにもなるが歩き出したのでとりあえずよしとする。

 

この日の目的地は近く(といっても馬で1時間くらいだけど)の遊牧民のゲル。アポなしで突然お邪魔したがそれが普通とのこと。挨拶すると快く迎えてくれた。

遊牧民一家は総出で羊の毛刈り中。手足を縛られた羊が転がっており、みんな手際よくハサミを動かしている。ある程度の量になったら袋に詰めてウランバートルへ売りにいくらしい。

ゲル内部をチラッと見せてもらうと、カーペットや家具の装飾は結構ポップな感じにまとめられていてカラフルだ。ゲルは2つあり、1つは生活スペース、もうひとつは倉庫として使っている。

 

遊牧民一家は、ウランバートルから親戚が帰省しているらしかった。

都会暮らしの若者はさっぱりした服装をしており、女の子のメイクとファッションは韓国風だ(ギャル)。ちびっこは馬に乗ったことがないらしく、僕たちが乗ってきた馬に交代で乗って記念撮影している。最近は都会で生まれ育つとゲルや家畜と無縁の生活というのも珍しくなくなってきているらしい。

ウロチョロと見学していると、一緒に遊ぼう!と誘われてバレーボールをした。急に訪ねてきた外国人をカジュアルに遊びに誘える度量は見習うべきかもしれんなと思いつつ遊ぶ。

 

行きと違って帰り道は早歩きになりがちな馬を抑えながら帰還して、乗馬の全行程が終了した。寂しがり屋だが機嫌のいい馬だった。次に来るときはもっと上手く乗りたい。

 

食堂に戻ると馬頭琴のミニレッスンが開催されている。弾かせてもらうとやっぱり難しい。指の腹ではなく、爪の付け根あたりで押弦するのが不思議な感覚だ。全然ビブラートできない…。

 

昼ごはんを食べ終わり、いよいよツーリストキャンプを出発。仲良くなったアノンくん・ムギくんにFacebookでフレンド申請をしてもらった。ちなみに彼らはめちゃくちゃFacebookを更新する。日本のツイッターのような感覚みたいだ。

名残惜しいが、お世話になったみんなに日本からのお土産(お菓子が喜ばれるとのことだったのでカントリーマアムを持ってきていた)を渡して別れた。

 


車に乗りこみ、ウランバートルを目指す。初日は真っ暗でわからなかった街並みを眺めると、建設中のマンションやビルが立ち並んでいる。街の中心部には発電所があり、モクモクと水蒸気をあげていた。冬場は発電時に温まったお湯を街中の配管で各家庭に送り、暖房として利用するらしい(セントラルヒーティングという)。

 

1時間半ほどのドライブでガンダン寺に到着。モンゴル国内最大の寺院で、社会主義時代に一度破壊されたが再建されたらしい。仏像は立像で、かなりでかい。観音堂のなかではシャルトス(バターオイル)でできたローソクが灯されている。

見学ルートのいたるところにあるマニ車をまわす。1回転させると1回お経を唱えたのと同じ効果があるらしいので律儀に全てまわした。

 

お寺からノミンデパートに移動してお土産購入タイム。自分はあと2日滞在するのでゆっくり見て回るが、今日が最終日の皆さんは最後の買い物なので急ピッチでお土産を買い込んでいる。革製品はさすがの品揃えで、しかも安い。カザフの刺繍が入ったカバンと遊牧民の暮らしがあしらわれた財布を買った。

館内では久しぶりにWi-Fiが繋がった。そういえばラインとかそういうものもあったな、という気分だ。バンドのグループラインをチェックして生存報告をした。

 

夕食はデパート近くのレストラン。巨大な新築ビル内のレストランは日本食のメニューもある。日本の居酒屋みたいな感覚で各々が食べたいものを注文したところ、めちゃくちゃ大量の料理が運ばれてきてしまい焦って腹に詰め込む。

 

時間が押し気味になり、急いで空港へ向かう。ウランバートル市内の交通事情はなかなか激しい。ちょっとでも車間距離をあけるとすぐに割り込まれるので、前の車との間に隙間ができるとすぐにアクセルを踏み込むのだ。後部座席もぐわんぐわんと揺れる。隣に座っているMさんが「みんな馬で走ってるみたいですね」と言って、たしかにと思う。馬の群れのような渋滞だ。

チェックインの時間ギリギリに空港に到着。慌ただしく荷造りと記念撮影を済ませて帰国する皆さんを見送る。再会を誓い合った。

 

 

暗くなった頃、この日から拠点とするアギーさんのマンションへ。

小さいスーパーがあったので翌日の朝食を買おうとしたが、連休最終日だったらしくパンは売り切れている。フルーツや飲み物を購入した。日用品コーナーには無印良品のパチモンと思しき靴下が売られている。

 

アギーさんの部屋は独特のインテリアであった。天井に不思議な模様が装飾されている。事務所兼住居にしていたが今は使っていないとのこと。

交代でシャワーを浴びて、翌日の予定などを話しているうちに深夜になり消灯。

 

ソファベッドで横になりながら、伊藤さんと話をする。日本にはみんなで歌える歌がほとんどないですよね、あと自然に感謝するような歌も少ないですね、みたいな会話をしていたが、突然返事が返ってこなくなったと思うと寝息が聞こえてきた。

お疲れのところに一方的に話しかけてしまい申し訳なかったな。反省して、自分も目を閉じた。

 

 

つづく


 

 

 

 

 

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