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踊る!ディスコ室町のギター

自宅のキッチンでコーヒーを焙煎する

しばらくコーヒーに飽きてたり台湾茶とかにハマってたりであんまりできてなかったけど、久しぶりに自宅で生豆を焙煎したので様子をレポートします。
結構簡単にできるのでみなさんも是非トライしてください。喫茶店で飲むと1杯1000円くらいするような高級コーヒーが割と気軽に飲めるようになります。

前置き

コーヒー“豆”と言いますが、これ実はコーヒーノキという植物の種子(タネ)です。
こんなんです。茶色くないですね。
これに熱を加える(焙煎する)と、カルディとかでみる感じの茶色いコーヒー豆になります。
この加熱の具合によって味が良くなったり悪くなったりするんですが、この工程がいわゆる焙煎というやつです。これについては色んなやり方があるとは思いますが、とりあえず今回は僕が普段行なっている様子を公開してみます。

準備するもの

生豆
専門店とかで買ってもいいんですが、僕は毎回通販で購入しています。
www.namamame.jp
かなり豊富な種類の生豆が100gから買えるし、値段も良心的。800gまではメール便で送ってもらえるので、200g×4種類とかで色んな豆を試すとよいです。
どれにしたらいいかわからん場合は、だいたい250〜300円/100gくらいの価格帯を買うとよいのでは。ちなみに、焙煎すると水分が抜けるので100gの生豆から得られる焙煎豆は80g前後。6〜7杯分くらい。
焙煎豆も販売されているので、自分の焙煎した豆と飲み比べてみるのも良いですね。
あと店長さんのメルマガが面白いです。毎回楽しみにしています。

エチオピア・イルガチェフェ(ウォッシュト)とタンザニア・ンゴロンゴロをリピート購入して、たまにカップオブエクセレンス*1


ロースター(焙煎器)
自宅での焙煎向けには銀杏炒り用の手網が紹介されていたりしますが、おすすめは発明工房さんの「煎り上手」です。

発明工房 コーヒー豆焙煎器・煎り上手

発明工房 コーヒー豆焙煎器・煎り上手

  • メディア: ホーム&キッチン
網と違って熱が逃げにくいので加熱具合をコントールしやすい。
ゴマ炒り用の道具を使ってみたりもしたんですが、一度に焙煎できる量とかも含め、自宅のキッチンレベルでは「煎り上手」がベストチョイスかと思います。


キッチンの準備
自宅焙煎における一番のネックは、煙とカスがめっちゃ出るところ。
コーヒー豆は油分を結構含んでいるので、加熱するととモクモクと煙が立ちます。換気扇を可能な限り強く回しましょう。
また、加熱により豆が膨張すると、豆を包んでいる薄皮(チャフ)が剥がれ落ち、カスが熱による上昇気流に乗ってどんどん飛び散ります。
一人暮らしならまだしも、家族がいると間違いなく顰蹙を買います。あとから掃除しやすいようにコンロ周辺はきれいにしておき、換気扇にはフィルターを取り付けておきましょう。


実際に焙煎していく

生豆の準備
「煎り上手」の説明書には一度に50〜60gまで焙煎できます、と書いています。が、ギリギリを攻めた結果、100gまでは投入しても大丈夫という知見を得ました。

計量できたら、投入する前に不純物や欠点豆を取り除きましょう。ザルとかに広げてみて、色がおかしい豆や割れてしまった豆、あとたまにですが小石とか混じってるときもあるので取り除きます。
前述の生豆本舗さんで購入している場合、だいたい欠点豆はピッキングしてくれているみたいなので100gの小袋をそのままブチ込んでしまっても大丈夫。


焙煎
メインイベント、焙煎です。


(キッチンが汚くて恥ずかしい)

「煎り上手」に生豆を投入し、コンロの火にかけます。火力は最大!中火とかでもいいんですが、とりあえず最大にしておけば毎回同じ条件になるので上達も早い(ような気がする)。

焙煎器を火の先端に当たるか当たらないかくらいのところで振り、豆全体を均等に加熱していきます。
炒り上手の説明書には「左右に振る」と記載がありますが、指定の量以上に豆を投入している場合、左右にガシャガシャ振ると豆が飛び出てくることが多いです。ゆっくり円を描くように振ってやりましょう。とにかく、豆がよく混ざれば(焼きムラができなければ)それでいいはず。

また、加熱を開始すると同時にストップウォッチで時間を測り始めましょう。何分でどれくらい焙煎が進んだかメモっておくと味がコントロールできるようになってきます。


だいたい5分くらい加熱すると、色が変わって香ばしい匂いが立ち始めます。水分が抜けてきたサインです。ここでしっかり時間をかけて水分を抜いておくとよいと言われています。


(1ハゼ)
その調子で焼いていると、ポツポツ…と弾けるような音がしてきます。これがハゼといわれる現象で、2段階あるうちの1つ目です。豆にもよりますが、焼き始めて8分くらいかな。

このあたりから薄皮(チャフ)が飛び始めます。
火がついたりするので燃えやすいものは台所から遠ざけておきましょう。


(2ハゼ)
さらに焼いていくと、音がピチピチピチ…という高い音に変わってきます。これが2ハゼというやつです。僕は毎回これが10分くらいで起こるように焼いています。
このころには結構コーヒーっぽい色合いに変化してきて、豆も膨張してきています。煙もモクモクし始めて、クライマックス感があります(写真は撮る余裕がありませんでした…)。
目標の煎り具合のちょい前の段階で火を止めて、余熱で仕上げるイメージでやると上手くいくことが多いです。

なお、この2ハゼの入り口で豆を引き上げると浅煎り、音がしなくなるまで焼くと深煎りです。深煎りまで焼くと煙がすごいのでくれぐれも換気扇は力の限り回してください。
ちなみに煎り具合は豆の色でも判断されますが、自分で焙煎する場合は音が一番の判断材料になると思っています。


冷却
焙煎器から取り出してすぐの豆はめちゃくちゃ熱いので火傷に注意。そして余熱で焙煎が進んでしまうのですぐに冷却が必要です。
ウチワとかで風を当ててやるのがよいのですが、チャフが飛び散るのであまり豪快にやりすぎないように。飛び散り覚悟でドライヤーの冷風モードを使うという手もあるようです。


ピッキング
焙煎後、皿とかに並べて再び欠点豆を取り除きます。
事前にハンドピックしている場合はほとんどありませんが、色が変わっていない“死に豆”なんかがあれば味を悪くする原因になります。


片付け
以前、同じように自家焙煎をやる友達が「掃除までが焙煎や」と言っていて妙に納得しましたが、マジでそうだと思います。
ザルを振ってチャフを落とす際、古新聞や都道府県だよりの要らないページ*2を置いておくと回収が楽。







以上、自宅でのコーヒー焙煎の手順を紹介してみました。
焙煎したコーヒーはジップロック*3とかに入れて保管しましょう。焙煎したての豆はガスをふくんでいるので1日くらい寝かせるといいらしいです。

煎りたてのコーヒー豆をドリップすると、蒸らすときにめっちゃ膨らむので感動します。

お試しを!


余談

コーヒー本
本屋さんに行くとコーヒー本が沢山ありますが、一番オススメなのはブルーバックスの「コーヒーの科学」です。

著者は微生物学の先生で、経験とか勘だけでなく科学的なアプローチでコーヒーの美味しさに迫っており読み応えがあります(ちょっと難しい章もあり読み飛ばしてしまっている部分もありますが)。

カフェイン
セルフ焙煎でコーヒーを多飲しているうちに、自分のカフェイン耐性がそこまで高くないことに気付きました。飲み過ぎると手が震えたり、お腹を下したりしてしまいます…
でもまあコーヒーは飲みたいし、カフェインを摂り過ぎなければOKぽいので、カフェインレスの豆と普通の豆をブレンドしてカフェイン量を調整してみたりしています。
今のところ結構調子いいです。カフェイン弱いんだよな〜という方はお試しあれ。

コンビニコーヒー
ここ数年すっかり定着したコンビニコーヒーですが、あれ美味しいですよね。ファミマのモカブレンドとか普通に美味しい。
あまりに美味しいのでわざわざ労力かけて自家焙煎する意味…となってしまったりするときもあるんですが、やっぱりコンビニとは比にならんくらいの原価がかけられる(良い豆を用意できる)のがDIY勢の強み。家では「普通に美味しい」を超えたものを飲んでいこうやないかという気持ちです。
ちなみに、コンビニコーヒーも高級路線が流行り出したので次はカフェインレスが来るんじゃないかと予想しています。

*1:コーヒーの品質審査制度。 アメリカ合衆国NPO「アライアンス・フォー・コーヒー・オブ・エクセレンス」によって毎年開催されている(wikipediaより)。

*2:完全に余談ですが、新卒で入った会社では県民だよりの裏表紙についている広告枠を売る仕事をしていました。地獄のように売れなかった。

*3:生豆100gを焙煎した場合、SSサイズがちょうどいいですよ