songdelay

踊る!ディスコ室町のギター

ミン・ヒジンさんえらい

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他の子たちが学校に通っている時 彼女たちは異なる経験をします
私はデビュー前に「私と一緒に勉強していくんだよ」と声を掛けました
(アーティストとの)標準的な基本契約期間は7年
高校3年と大学4年を合わせると7年間です
だから「私と一緒に学校に通おう」と伝えました
一緒に働くスタッフはみんな良い先生だし 学校に通っていても会えないプロフェッショナルばかりだと
【NewJeans誕生秘話】ミン・ヒジン「固定概念を壊したい」|プロデュース術に迫る独占インタビュー|NHKスペシャル - YouTube 13:50~)


NHKによるミン・ヒジン(NewJeansのプロデューサー)のインタビュー。

「ジャンルではなく『新しさ』を軸にしたい」「本人たちがとことん楽しまないとバイブスは生まれない」など、いろいろいいことを言っているけど、冒頭に引用したところの話は、聴いていてまじで感動した。

10代の人間を預かるなら、それなりに物事を教えないといけない。そこで教えられることが周りの大人から学ぶ姿勢、っていうのはいい話である。アイドル産業って世界的にバリバリやっているが、こういうこと言える人が世の中に何人いるのか? と思う。秋元康とか、一回でも同じようなこと言ったことあるのか? と問いたい。

何事も、オーディションとかきつい練習とかで追い込まれて強くなっていく……みたいなノリのものはもう見たくない。本人たちがひたすら爆笑しながら作っているものを見たいし聴きたい。

オーディションやきつい練習が発生することはあるだろうが、少なくともそれをコンテンツにして提供する、そしてそれを見て楽しむというのは早くやめたほうが、結果的には世の中のためになるはず。

クラシック

そういえばクラシックってちゃんと聴いたことなかったな〜と思ってSpotifyの検索窓に、スペルどんなんやっけ、えーっと、とか思いながら「beethoven」と入力してみると「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」と表示された。

カタカナで書かれるとちょっと(というかだいぶ)アホな感じがする。例の肖像画付きで、急に音楽室のワックスの匂いを思い出した。丸いアイコンで表示されるのもだいぶおかしい。パソコンをポチポチやっているだけで音源にたどり着けるのは便利であるが、やっぱりなにかおかしいと思う。それにしてもNewJeansとベートーベンと奥田民生を並列に表示してしまう暴力性よ。

ついでにいうと、ベートベンの「ディスコグラフィ」が表示されてるのも変である。人気の曲、アルバム、シングルとEP、コンピレーション。当たり前だけどベートーベンはアルバムもシングルもEPもコンピレーションも出していない。ちなみに1番人気の曲は『月光』であった。

「2023年」にリリースされたアルバムがあったりして、それにも一瞬混乱する。なんかスクロールしまくったら18世紀の年号が表示されそうな気分になった。当たり前だけど、本人の演奏は残っていない。ふつうSpotifyの「アーティスト」欄には演奏家の名前が並んでいるのに、クラシックだけが作曲家でクレジットされているのかな。変である。

なんかもう、こういう茶番に付き合っているとだめになってしまうような気がしてきた。電脳世界から抜け出して焼き芋でもして過ごそう。再来週あたり京都某所でやるので興味ある方はご連絡ください。

気圧

今日は一日中めちゃくちゃ眠かった。ソーシャルメディアを見ていても、同じようなことを言っている人が多かった印象がある。こういう日にツイッターその他を開くと、みんな気圧気圧と言っている。

そのことなんですが、気圧で頭が痛くなるとか眠くなるとかならないとかについては、たしかにそうかもと思う一方で、ほんまにそうか? と疑問に思う気持ちもあります。

だって晴れの日の気圧が1020hPaくらいとして、そこから下がるといってもやばい台風のときでせいぜい920hPaくらいであろう。その差100hPa。それで頭が痛くなったり眠くなったりするとしたら、飛行機に乗ったときはどうなんだ。

検索してみたところ、高度10,000メートルを飛んでいるときの機内気圧は約0.8気圧らしい。つまり810hPa程度である。地上で体験するような気圧変化とは比べ物にならないくらい急激に気圧が下がっている。ペットボトルはベコベコにヘコんだりするが(機内でへコんだペットボトルを見るのちょっとこわいよね)、特に頭が痛くなったりしたことはない。眠たくはなるけど、暇だからだと思う。

だから頭痛や眠気の原因は気圧以外のなにかなんじゃないかとにらんでいるんですが、どうなんですか。もしかして飛行機に乗るときは興奮してるから大丈夫なのかな。それなら低気圧の日は家で大興奮していればいいですか?

プロの仕事

乗っていたバスが信号待ちで停車すると、不自然に前の車との距離を取っていた。車2台ぶんくらい。

なんでこんなところで停まったんだろう? と思ったら、対向車線に荷下ろしのバンが停まっていて、そのバンを追い越すためのスペースを空けているらしかった。なるほどちゃんと見ている。

感心していたら、追い越してくるクルマ……特にトラックやタクシーなどのプロドライバーたちはみんな、追い越しながらバスに向かって片手を挙げて会釈していた。

なるほどこれがプロか──。勝手にファブルみたいな気持ちになった。

今週読んだ本

このシリーズ忘れているわけじゃないんだけど、書くのにちょっと気合が必要なのでなかなか大変だ。最近はわりとおもしろい本を読めていて楽しい。


◯日本のクラシック音楽は歪んでいる(森本恭正)
チェンマイに行く飛行機で読んだら、めちゃくちゃおもしろくて夢中で読んでしまった。言語と音楽の関係性について書かれているのが特におもしろい。西洋音楽をやるなら、西洋の言語感覚が身につかないとどうしようもないと。なるほどなー。絶対音感がもてはやされていることについて、カタカナのドレミが頭にちらついていていい演奏ができるわけない、というのもおもしろい。
筆者はとにかくブチギレているが、怒っている人の文章はおもしろい。怒りと言葉は相性がよいのである。そもそもポジティブなことは言葉にする必要性が少なく、これクソなのになんでみんなわからないんだ? みたいなことには言葉が必要であるから、出力に慣れていてスムーズなのだ(千葉雅也もそういうことをツイートしていた気がする)。


◯「おりる」思想 無駄にしんどい世の中だから(飯田朔)
「これからの時代、生き残るためには……」みたいな煽り文句が溢れているけど、なんでなんもしなかったら死ぬ前提なの? と指摘していて、たしかにと思った。なんもしない人がどんどん死んでいく前提の社会は狂いすぎているのでどっかで是正したほうがよい。
本や映画の批評が展開されているが、そのラインナップが独特で楽しい。『プーと大人になった僕』『バトル・ロワイアル』『仁義なき戦い』ときて、いくつかの思想書を挟んで、後半は朝井リョウ作品の批評が続く。朝井リョウそんなに読んでないけど、思想の変遷が指摘されててなかなかおもしろかった。


◯どうせ今夜も波の上(椎名誠
大量に読んでいるので、もう椎名誠の執筆の調子がかなり読み取れるようになってきた。それでいうとこの本に収録されている期間はわりと調子がよくて、どう考えても締め切りに追われて適当にやっつけました、みたいな回が少ない(けっこうひどい時期があったりする)。
この時期の椎名誠はいつにも増して写真に関して考えていたようで、写真にまつわるエッセイが3回くらい連続している。その中で、日本人はいいカメラを作るしそれを持っているけど、撮る写真はしょうもない記念写真ばっかり……という話題があって、たしかになあと思った。わりと今でもそうだと思う。みんないいカメラを買っても、明るいレンズでお花を撮って背景をボカシてうっとりしているよなあ。なにがうれしいんだ。


◯私が30代になった(イ・ラン)
イラストエッセイ。力の抜けた絵がよい。おれも今年30代になるのでそれに対して若干ビビっているところがあるけど、まあ別にただ30代になるだけだよな……ということがだんだんわかってきた気がする。

チェンマイの車窓から

2月はモンゴルに行く予定があったんだが、なんやかんやあって行き先がタイに変更になった。それで先週の日曜日にベトジェットの直行便でチェンマイに来まして、今はバンコク行き寝台列車のベッド(二段ベッドの上段)でこれを書いています。

チェンマイでは山岳民族カレン族の村でコーヒー畑を見学したり、旧市街をブラついたりした。コンビニのレジ横でマシーンに詰め込まれているコーヒー豆を作るためには莫大な労力がかかるということがよくわかったし、チェンマイ市内では地元民も観光客もみんなワイワイやっていて開放感があり、同じ観光地古都として京都ももうちょい頑張った方がええんちゃうかと思うところもいろいろあった。とりあえずクソ安いコーヒー豆を買うのはなるべくやめていこう。

ところで寝台列車というのに初めて乗っているんですが、これはなかなかいいものですね。こういうので京都東京間を片道5000円くらいで往復できるようになったらかなりうれしい。昔はそういう夜行列車もあったんだろうし、JRはさっさと国鉄に戻して、そういうのをガンガン復活させてほしい。利益を追求していると、なるべく狭い箱に大量の人間を押し込むのが正義になってしまう。まあ利益はトントンやけど楽しいからええやん、みたいなものをどんどん復活させないと、狭い箱に押し込まれる一方では困る。