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踊る!ディスコ室町のギター

鴨川ランナー(グレゴリー・ケズナジャット)

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上司に勧められて読んだらめっちゃおもしろかった。自分が大学生になって京都にやってきたときのことを思い出したし、いつか京都を去る日のことや、その後しばらくしてからまた戻ってくる日のことを想像したりした。

大学生のころ、僕は4年の夏まで京田辺にいて、最後の半年だけ京都市内の長屋を借りていた。次の年は就職で奈良に引っ越したんだけど、バンドの練習や飲み会のために京都にやってきては、そのたびに「もう自分の街ではないんだな」とか感じていた気がする。三条で京阪の階段を上がっていったときの感覚が全然ちがって、人間は寝床の場所を中心にテリトリーを認識しているのかな〜〜とか思ったりした。

この本、京都文学賞の受賞作として近所の本屋さんでもいいところに陳列されていたんだけど、なぜか逆張りモードが発動してしまいぜんぜん目を向けられていなかった。京都文学賞ってなんやねん、しかも受賞作のタイトル『鴨川ランナー』ってベタすぎでは……とか思ってしまっていた。すみません。めっちゃいい小説でした。