ワシは人づきあいが苦手だったせいか、自分の作品を誰かが見て楽しんだりしている実感がないまま生きてきたのだ。
でも『時計塔』や『たぬきのエルドラド』でなんとなく、誰かが見ているのかなという気がした。
ワシは人と話すのは苦手だけど、ワシのアニメを見た人達が何を感じているか知ることができれば、人間のことが知れるかもしれないと思っているのだ。
(『映像研には手を出すな!』7巻より)
『映像研』の新刊、浅草氏のセリフがかっこよかった。自分もWeb記事の感想をもらったりすると、こういう気持ちになることがある気がする。
音楽でもテキストでも、なにかを作ろうとするのってメチャ大変だ(先日の記事にも書いた)。だから立ち止まってモチベーションを確認したくなるようなこともある。
そんなときによく思うのは、わたしはずっと自己紹介をしているのではないか、ということだ。こうしてブログをポチポチ書いているのも、自分が何を良しとして、なにを悪しきと捉えているのかを表明したいからで、それで誰かにちょっとわかってもらえたらいい。文章を読めば、その人がどんな人なのかよくわかるし、一緒にギターを弾いても同じ。
べつにそんな面倒な方法を取らなくても、と思われてしまいそうだけど、ワシは人と話すのは苦手だし、ワシのテキストやギターを見た人達が何を感じているか知ることができれば、人間のことが知れるかもしれないと思っているのだ。