今でもたまに「あれはなんだったんだろう」と思い出すエピソードがある。
まぼろしの店
2000年ごろだったと思うけど、ご存知のとおり世の中には空前のベイブレードブームが訪れ、入手が難しい状況になった。
店頭在庫が全くなく、量販店やおもちゃ屋さんに行っても全然買えない。
そんなとき、会社の飲み会から帰宅した母が「帰り道にものすごい数のベイブレードを売っているおもちゃ屋さんを見た」と教えてくれた。会社近くの路地にある個人商店に大量の在庫を見たという。
ずっとベイブレードを手に入れられなかった僕もめちゃくちゃ喜んだし、おもちゃ屋さん行脚に付き合ってくれていた母も興奮していた。
しかし週末に満を持して買いに行ったところ、母が見たというおもちゃ屋さんは見つからなかった。
「ベイブレードを売っているおもちゃ屋さん」が無かったのではなく、そもそも玩具店が無かった。畳屋さんしかなかった。
母が何を見たのかは謎のまま。