「目に映るものの名前をできる限り知りたい」ということができないかと思っています(デイリーポータルZの企画です)。この写真の中で、名前が分かるものが一つでもあれば教えていただけないでしょうか。例:奥の街路樹がケヤキ、黄色い車が日産セレナなど(例は適当です)。「たぶん」で構いません。 pic.twitter.com/702faN4ckL
— 三土たつお (@mitsuchi) May 21, 2020
先週、京都の駐車について記事を書いた。
普段このブログでは日記とか読んだ本のこととかを書いているので脈絡のないものだったが、この記事はデイリーポータルZ新人賞に応募するために書いたものだ。
このときに参考にしようと思って記事を読み漁っているうちにすっかりDPZにハマってしまって、今週は毎日バックナンバーを読んで、YouTubeのチャンネル登録までした。
特に面白かったのは、三土たつおさんという方が書かれている"路上観察系"の記事。
ツイッターでも話題になった「目に映るものの名前をできる限り知りたい」は感動すらあった。
あと、YouTubeの企画「ストへぇ」も面白すぎて一気見してしまったが、やっぱり三土さんが出演されている回が突き抜けて面白い。
街中のカラーコーンやポスト、マンホールに詳しい三土さんを見ると、この人はなんでこんなに色んなものに興味を示しているんだ??と思うと同時に、自分はこんなに世の中の情報を見落としていたのか!みたいな気持ちにもなった。
そして僕も「セフテックのカラーコーン」を見分けられるようになった。
そんな1週間を過ごした日曜の晩、三土さんのインタビューが公開されているのを発見した。
寝る前に布団の中で読んでいたのだが、わかる…!の連続に居ても立っても居られずに起き出してしまった(そしてこれを書いている)。
特に頷きまくってしまったのは以下の部分だ。
石川:
あと、「知っている」っていう状態の嬉しさと、「知る」っていう行為の楽しさって両方あって、後者の喜びがすごい大きいなっていうのは、とてもわかります。
自分が変わっていくおもしろさというか。三土:
まさに!!!ギター練習してる最中(※)の感じ。※注:超どうでもいい話かと思いますが、石川が1月からギターを始めて、そのことです。
石川:
まさにそれを思い浮かべてました。
僕は電子工作でも、最近やってるギターの練習もそうなんですが、「できる」ことより「できるようになる」のが楽しくて。
知ることについても同じなんだろうなと思って。
『自分が変わっていくおもしろさ』。結局自分が嬉しかったり楽しかったりする瞬間って、全部これだ。ロールプレイング系のゲームで、新しく覚えた魔法ばっかり使ってしまうような「コマンド増えた!」のうれしさ。*1
ギターのコードを押さえられるようになったり、スパイスカレーが作れるようになることも「コマンド増えた」だ。そして嬉しさのあまり同じフレーズばかり弾いてしまったり、カレーばかり食べたりしてしまう。
それから、たぶん「知る」ということに対する欲求や快ってめっちゃプリミティブなものだ。
その証拠に、誰だってちびっこ時代には電車や駅、はたらく車、昆虫や恐竜なんかの名前を覚えるのに夢中になった経験があるだろう。僕もウルトラマンに登場する怪獣を覚えては報告しまくって、父母を困らせていたことがある(らしい)。
名前を知るということは、世界の解像度を高めるということだ。大げさじゃなく、道路沿いのパイロンの種類がわかるようになるだけで見える景色は変わるんじゃないか。
僕はもっと「コマンド増えた」のうれしさを感じたいし、ちょっと高い解像度で世界を見たい。
とりあえず、今週はギターを練習して、「街角図鑑」を買います。