ドライブ中の音楽鑑賞は超たのしい。
特に低音のしっかり出るスピーカーを積んであるクルマを運転しながらデカイ音で音楽を聴いていると、クルマって音楽聴くためにあるのかなーなどと安直な感想を抱いてしまう。
とは言っても、僕は車を持っていない。普段車を運転するのは、仕事中にちょっと社用車に乗るときか、友達とレンタカーで遊びに行くときくらいだ。
しかし、数ヶ月に一度、嫌になるほど音楽を聴きながら長距離を走ることがある。
それは、僕がバンドマンだからだ。
僕は京都で「踊る!ディスコ室町」という6人組のファンクバンドをやっていて、大体2〜3ヶ月に1回のペースで東京にライブをしにいく。バンドはギターベース太鼓タンバリンなどの楽器、衣装、会場で販売するCDやTシャツと共に移動するので、必然的に車移動である。この車移動の間、僕らはずっと音楽を聴いている。このとき聴いている音楽については、特に公開してこなかったし、他のバンドが公開しているのも見たことがない。せっかくなのでこれを公開してみようと思います。
ちなみに、テレビの音楽番組にしょっちゅう出ているような人たちさておき、みなさんが知っているようなバンドも結構似たような感じで車移動していたりすると思う。同じような音楽聴いてたりするんだろうか。
やっぱ富士山みると気持ちいいな! pic.twitter.com/yWiWSc1T3h
— まこまこまこっちゃん (@mak_1410) 2019年11月1日
移動中のツイート(京都から延々運転して富士山が見えたときは本当に気分がよくなる)
バンドの移動中に聴く音楽
京都→東京間の移動にかかる時間は通常片道7時間前後。ゴールデンウィークなどの大型連休と重なったり、目的地が遠かったりする場合は最長で片道12時間。この長い移動時間中、タイムズでレンタルした8人乗りステップワゴンの車内では絶え間なく音楽がかかっている。
音楽を流すのは、だいたい助手席に座っている人。あと、起きている人。深夜に移動することもままあるので、必然的に運転手以外の生存者がDJの役割を担うことになる。
何度も長距離移動を重ねるうちに、聴く音楽にも傾向が現れ始めたので、移動の時系列と共にざっくりご紹介。
1. 出発してすぐ;DJ担当者のお気に入り曲
朝8時 京都駅集合出発。以前は前日の深夜に出発することも多かったけど、最近は朝一番に出発すれば昼過ぎのリハーサルに間に合うことに気がつきました。
だいたい始めは助手席のDJ担当者も元気いっぱい、ノリノリなのでお気に入りの曲を1曲ずつセレクトしてみんなに聴かせている。メンバーも反応して、これいいよね!とか、〇〇って曲もかっこいいよ、等の情報交換が発生する。
最近では、Vulfpeckとか。あとTom Mischのgeographyが出たときは聴いたかな。まだカッコつける余裕がある。
2. 高速に乗って1時間くらい;その日の共演バンドや制作の参考曲
だいたい高速に入ってから1時間もすればDJ担当者もみんなに聴かせたいお気に入り曲がなくなってきたり、飽きてきたりする。そこで登場するのが、その日のライブで共演するバンドの曲や自分たちの曲作りのヒントとなりそうな曲だ。
共演バンドに馴染みがある場合、みんなでその曲を歌ったり、やっぱりかっこええなー等の感想で盛り上がる。知らないバンドの場合は、Apple musicやspotifyで再生回数上位の曲を聴き、〇〇が好きなんかな、ドラムめっちゃ上手いな、などと分析する。
また、制作のヒントになりそうな曲がある場合は車内でメンバーに共有される。「ここのベースがかっこいいからコピーしてきてー」「こういうラテン系のビートで曲作ったら面白いね」など、結構真面目に音楽を聴いて過ごす。
共演したことがあるバンドでよく聴くのはディープファン君。東京のバンドで、一緒にやるのをいつも楽しみにしている。Blueっていう曲はいつも車内で歌ってます。
3. 高速走行3時間経過;Apple music、spotifyの自動再生
真面目タイムが終了し、ちょっと疲れてくる。DJもサボり気味になり、何かのアルバムを流しっぱなしにするか、Apple musicやspotifyの自動再生モードが垂れ流される。
まあその日のセットリストを考えたり、到着後のスケジュールを確認してたりもするので、音楽は流れてるけど耳にはあんまり入っていないような状態。
4. 渋滞にハマる;イントロドン
だいたい新東名の最後の方、海老名SAを過ぎたあたりは渋滞している。いつも渋滞しているので構造的な問題があるんだと思う。バイクがよく事故っているので気をつけて欲しいと思う…
ロングドライブで疲れが溜まってきていることもあり、渋滞にハマってしまうとかなり消耗する。車内の空気が一気に最悪になる。
このサイアクな渋滞のなかで最近発明されたのはアプリゲームのイントロドン。一度ゴールデンウィークの渋滞に巻き込まれたとき、3〜4時間ぶっ通しでイントロドンに興じたことがあるが、大盛り上がりだった。うちのバンドは結構音楽の好みがバラバラなので、歌謡曲をバンバン答えるメンバーやB’zだけ絶対回答するメンバーがいて面白かった。
イントロじゃなくて曲の中途半端なところから始まるときもあって絶妙に回答しづらいのがまたたのしい。
渋滞中のようす。このときは6人乗りのハイエースで運転席助手席の間に座らねばならず大変だった。1列目3人2列目3人タイプの商用車には気を付けろ。
5. 東京到着;東京っぽい曲
首都高に入ると、「東京の曲聴こうやあ」と謎のノリが生まれるが、思いつく曲はだいたいベタな曲ばかりだ。その筆頭がくるりの東京。でもまあ東京で聴くとやっぱりよかったりする。
あと渋谷のライブのときに渋谷系(フリッパーズギターとか)聴いたりするのもあった。
6. 帰り道(夜走り);深夜ラジオ
ライブも終わっって、打ち上げにも顔を出したら、来た道をひたすら戻る。だいたい翌日朝にレンタカーを返却することが多いので、夜走りである。
だいたい走り始めてすぐはライブの余韻があってちょっと興奮気味だったりするが、すぐに疲れが襲ってくるため段々と無口になってくる。
そうなると車内BGMの選曲も億劫になってくるのか、最近は深夜ラジオを聴くことが多い。だいたいはradikoのタイムフリー機能でオールナイトニッポンを聴いている。三四郎、霜降り明星のANNか、土曜深夜であればオードリーANNをリアルタイムで聴く。これは結構眠くならないし時間がすぐ経つような気がしておすすめです。
ラジオは寝たい人の耳にも比較的優しいので、眠たい後部座席と絶対に覚醒状態が求められるドライバーの共存が可能になる。
7. 京都到着;音楽聴いてない
明るくなったころに京都に到着。運転手以外はほとんどが気を失っており、もはや音楽どころではない。今日も安全運転で帰って来られたことに感謝しつつガソリンを満タンにして、レンタカーを返却します。お疲れ様でした。
その他;お気に入り曲とか
無事京都に帰ってきたけど帰り道に入ったあたりで車内音楽の紹介じゃなくなってしまったので、僕が運転中によく聴いている曲も挙げておく。
個人的に外せないのは奥田民生。CAR SONGS OF THE YEARはやっぱりドライブに欠かせない。免許取るまではこのアルバムを流しながら運転するのが夢だった。あとPUFFY。ドライブにはエイトビートが合う。
コンスタントに東京へ行くようになった頃に何度か共演した恋する円盤というバンドの曲は今でもたまに流す。結構好きなんだけど復活しないかな。戸山さんのギター好きだった。
あとは博多にライブに行ったとき、快晴の関門海峡を渡りながら聴いたRIDE ON TIMEは最高だったなー。ちなみに京都から博多までは10時間くらいかかった記憶がある。深夜の山陽道を散々走ってクタクタだったところに海が現れたので山下達郎神の歌声がかなり染みた。こういうふうに景色とセットで覚えている曲はわりとあって、2016年にフジロックに出演したときは新潟の山道をグリグリ走りながら聴いたガソリンガタリンなんかも状況とマッチしていたのを覚えている。
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以上が、バンドの車移動のようすとそのときに聴いている曲の一部始終である。
我々レベルのバンドって本当に往復20時間くらい車に乗って演奏時間は30分、みたいなことがザラなのですよ。遠くから来たバンドに出会ったときには労ってあげるとまあまあ本意気で喜ばれることかと思います。
しかし、移動はつらいけど、一方でメンバーと一緒に音楽をずーっと聴くこともなかなか無いので、わりと楽しい遠征ライフを送っております。
みなさんも運転中に聴いて楽しい曲があれば教えてください。それから、同業者の皆様は安全運転で参りましょう。
ちなみに今月も3連休に東京へライブしに行きますのでよかったらチェックしてみてください。たぶん上記のような音楽を聴きながらレンタカーを飛ばすことになるでしょう。
🕺東京で室町🕺
— 踊る!ディスコ室町 (@ODORU_DISCO) 2020年1月10日
💃昼間から踊ろ💃
まちぶせ×スザンボイールpresents
「ウェイティングフォースザンボイール」
2020/2/23(日)@新宿レッドクロス
開場12:00
開演12:30
前売¥2,300
当日¥2,800
学割¥1,000(各+1D)
ACT
踊る!ディスコ室町
Kroi
まちぶせ
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