songdelay

踊る!ディスコ室町のギター

ミン・ヒジンと『その男、凶暴につき』

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これなんなんだ! 激しく動揺している。ニュースではミン・ヒジンらが「独立を画策していた」とか言われているし、ILLITがあまりにNewJeansを模倣しすぎていることを指摘しまくっていたら解任を告げられた、とか書かれているところもある。

ちょうど1ヶ月くらい前、NewJeansの東京ドーム公演の告知写真が『その男、凶暴につき』のオマージュであると指摘されていて、なんでそんなバイオレンス映画を引用しているのかと疑問に思っていた*1

いっちょ暴れるたるぞってことか、しかしなぜたけし? とか考えている期間が1ヶ月近くになっていたのでとりあえず映画を見てみようと思って、久しぶりにレンタルビデオ屋に行ってDVDを借りてきた(北野映画は配信で見られない)。それで今日ちょうど見ていた最中にこのニュースであった。映画ではたけしが悪党をボコボコにやっつけたり、悪党を殺したり悪党に殺されたりしていた。

やっぱりミン・ヒジンはHYBEとの全面戦争を見込んでいたんだろうか。瀕死で銃を打ち合うような血で血を洗う戦いは避けられないと思っていたのか。わたし自身はILLITはたしかにNewJeansっぽいものの、しかしNewJeansのいいところはいっこもわかってない! とか思ってむしろ逆説的に良さを再確認したような気持ちだったが、ミン・ヒジンは許せなかったのか。

そう思いながら映画を見ていたら、登場人物がみんな死んだので後味が悪すぎた。麻薬の横流しだけは後輩刑事に引き継がれて続くことが示唆されて映画は終わった。いろんな事情の中でミン・ヒジンがこの映画を思い出していたのだとしたらつらすぎる。

*1:

いま春が来ておれは活動的になった

暖かくなってくると朝方に窓の外でスズメやらなんやらが鳴きまくっている。あいつら冬のあいだはこんなに鳴かないので、こないだまでは寒すぎてシュンとしていたのだなと想像するとおれも一緒やなと思う。

今日は朝から鴨川にゲルの組み立て講座を手伝いに行って(被災地で使うとのこと)、バイク屋でタイヤ交換の見積もりをお願いして(7年前に中古で買ってから替えてなかった)、本屋に行って(千葉雅也の新刊まだ入ってなかった)、気になっていた中華屋でめしを食って(シュウマイうまい)、レンタルビデオ屋に会員証を作りに行った(北野武の映画は配信で見れない)。かなり活動的な一日である。

冬のあいだは上のどれかひとつでも達成したらそこでエネルギーを使い果たすことが多かったが、しかし今日はこれに留まらない。

帰ってからも洗濯機をまわして(洗濯日和)、家を掃除しまくって(瞬間的にでもゲストハウスを手伝ったので掃除の習慣ができた)、皐月賞をチラ見して(買った馬は4着)、洗濯槽を掃除して(過炭酸ナトリウム便利)、コーヒーを400g焙煎して(某所で提供予定)、さらにそこから鴨川に走りに行った。走り出したら夢中になってきて、結局10キロ以上走った。鴨川が夜でも賑わっていて春を感じる(冬は人がいない)。

汗だくで帰宅して風呂に入って、めし食って、しばらくぼんやりしたらもうこんな時間である。なんかハイになっていて、自分まだやれます! という気分だがたぶんもうすぐ眠くなってくる。大人しく寝よう。

そういえば全然関係ないんですが「いま春が来て君はきれいになった」っていう歌詞、余計なお世話すぎないか? 去年よりずっときれいになった、ってうるせえわ!

NewBeans

山に行った。山間部の集落はもうだいぶ住民が少なくなっているが、春と秋には観光客(主に外国人ハイカー)がたくさんやってくるので静かな盛り上がりがある。

昼間、知人のゲストハウスのロビーでぼんやりしていたら「ここはなにかの店か?」「コーヒーありますか?」という感じで人がやってきた。ここはゲストハウスだけどコーヒーは出せるよ、1杯500円でどう? とか言ってコーヒーを淹れてあげていたら、外でバスを待っていた人たちもなんだなんだと言いながらやってきてあっというまに10杯くらい提供することになった。

その後もポツポツと人がやってきて、そこそこの売上になった。特に看板が出ているわけでもないのに、みんなかなりアクティブに突入してくる。まわりになんにもないしバスも午後に1本だけみたいな場所なので辺りを探索したくなる気持ちはわかるが、それにしても積極的で、しかしそれでなかなか良いコーヒーにありついているのだからすごい。2月にタイの農園で買ってきたおいしい豆である。少なくとも徒歩1時間圏内でこんなにおいしいコーヒーを出してる店はないはずだ。

暇にしていたらコーヒーを飲みたい人がやってきて、たまたま自分用に持っていた豆でコーヒーを淹れてあげただけなのだが、なにか商売の根源を見たかのような気持ちだ。この調子でときどき山に行って臨時のコーヒー屋をやろうかなあ。

将棋アマ初段になった

将棋でアマチュア初段になった。*1

将棋に興味を持ったのは2020年の夏ごろだ。急にスタートした在宅勤務の合間に、藤井聡太の初タイトル(棋聖)獲得がかかった対局の中継を見たのがきっかけであった。将棋おもしろそうやん、おれもやりたい! と思って調べると、初心者はとりあえず初段を目標にするものらしかった。

まあ1年くらい頑張ったらなれるだろ〜と甘く見ていたが、しかし結果としてようやく初段にたどり着いた頃には3年半が経過し、藤井聡太はプロ将棋界のタイトルを独占して八冠になっていた。どうせ藤井が勝つだろうと思ってしまうので中継はあまり見なくなった。

将棋というゲームには運の要素が全く存在しないから、勝負には常に自分の実力が反映される。それが気に入ってハマっていたのだけど、逆にキツイところでもあった。1級まではわりと順調に昇級したものの、そこからはいつまでたっても上達しなくてキツかった。おれは何もかもアマ1級どまりの人間だ! とか思ってしまったのである。

自分は新しく何かを始めるときの飲み込みはけっこう早い方だと思っていたが、結局は将棋もアマ1級止まりだし、そういえば勉強も、ギターも、ライターとしても、なにもかもアマチュア1級くらいの実力しかない、プロはもちろん無理だし、ましてやアマチュア初段にさえなれない小手先だけの人間なのだ……とか思ってしまってヤバかった。振り返れば将棋の実力を人生に投影しすぎなのだが、ここ2年くらいはわりと真剣にそういうふうに考えていた。

しかしおれは初段になって、これはけっこうな自信になった。何事も1級から初段に上がるのがめんどくさいし時間がかかるのかもしれないが、これからはなんでも初段レベルまで頑張れる人間として、いろいろがんばっていこうと思います。それにしてもコロナ禍の初期に始めた趣味だったから、これがひとつの区切りになった感があって感慨深いなあ。

*1:正確には将棋ウォーズというネット対局サービスで初段というレベルに達したのであるが、これによって日本将棋連盟から初段の段位を認定してもらう権利を得たので、日本将棋連盟公認の初段といっても差し支えない(はず)。

北海道日記2

songdelay.hatenablog.com
これの続きです! 野球やシャケや馬を見ています。


2024/03/24

  • ライブが無事終わったのでメンバー数人と観光。ちょうどファイターズのオープン戦があったのでエスコンフィールドに行ってみる。
  • タクシーの運転手さんに「エスコンどうですか」とたずねると「いいっちゃいいよ?」という返答。よくないの? と思いつつ話を聞いていると「完成前から奥さんと何回も見に行ってる」「試合のない日も見学できて、それもいいんだよね」などのエピソードが連なって、結局マイナス評価は出てこなかった。いいんかい!
  • 事前に調べるとエスコンにはコインロッカーの他に荷物預かりサービスがあるようで、それをスタッフのお兄さんに聞いてみると「あー、それはですね……」と暗い顔をして一時黙ってしまった。だめなの?? と思ったが結局サービスは存在していて、お兄さんもいつのまにかニコニコ顔になって対応してくれたのだった(ありがとうございます)。運転手さんといい、道民のみなさんは序盤で方向を特定できないトークを繰り広げる傾向がありそう。ありますか?
  • エスコンはきれいで楽しい球場だった。試合もアリエル・マルティネスのホームランが目の前まで飛んできて迫力があったし、江越や大和といった元阪神の選手を見られたのもよかった。ベイスターズの度会はめっちゃヒットを打っていて、今年はこいつを抑えないとえらいことになりそう。阪神タイガースのみなさんは頑張ってください。
  • 帰りゆくメンバーを見送りつつ、空港の手前の町にホテルを取って一泊。安いビジネスホテルだったんだけど、大浴場に行ってみるとでっかいユニットバスみたいな質感の浴槽が設置されていて、こういうパターンもあるのかと勉強になった。
  • 夜はホテルの近くの寿司屋へ。おいしいし静かでいい店だった。日本酒でほろ酔いになりつつ、スーパーのパック寿司とどうちがうのか考えながらスマホブログを書いて寝た。
まじで頑張ってほしい元阪神・江越がレフトの守備についた
高級な寿司(特上)


2024/03/25

  • 午前中は千歳水族館へ。「サケのふるさと」と銘打たれていて、小規模ながらサケやマスの展示が充実していた。地下から千歳川の水中を観察できるようになっていて、窓際に産み付けられたサケの卵が見れたりする。
  • サケのことを考えていたらやっぱり食べたくなってくる。併設の道の駅でサーモンいくら丼を食べてうまかったが、北海道の川で生まれてからアラスカのあたりまで旅して帰って来るというサケの一生に散々関心していただけにちょっと罪悪感がある。
  • その後は空港近くのノーザンホースパークへ。日本の競馬業界を牛耳っているといってもいい大規模な生産牧場グループである。ディープインパクトの母馬などが繋養されていて、競馬ファンらしき数名がでっかい一眼レフカメラで写真を撮ったりしている。あとはポニーショーでタイミングよくお辞儀したりするポニーを見たりして過ごす。牧場は広くて気持ちいい。
  • 犬や馬を懐柔するのが得意なので、ふれあいゾーンの馬を小一時間撫でた。これ書いていて気付いたけど、懐柔するのが得意なんじゃなくて、懐柔されるのが得意なんじゃないか。
  • フライトが近くなり空港へ。フードコートで白味噌ラーメンを食べたら雑煮の味がした。実家の雑煮くらいでしか白味噌を口にしないからそう思うんだろうけど、いきなり正月的なめでたい気持ちになるのですごい。白味噌買ってたまに食べようかな。
  • 帰りはPeachを取ったら、ギターを預けるために同意書を書かされた。ぶっ壊れても文句いいません的な書類に署名する。安いのでしょうがないんだが物騒だ。
  • 関空から電車に乗ると、ベトナム語らしき言葉を話す夫婦が路線図を見つめて固まっていた。どこの駅に行きたいのか聞いてみるとりんくうタウンだったので、乗り換えも必要ないし一駅なのですぐ着きますよと教えてあげる。親切精神は積極的に発揮する。札幌での反省を早速活かしたかたちである。
  • ずっとライブ用の機材を背負っていたので、帰宅すると肩が痛くなっていた。駅から家までちょっと距離があるが、これから15キロ以上の荷物を持っているときは無理せずタクシーに乗ってもいいことにしたい。
シャケの子はしばらく砂の中にいるらしい
馬はよい

北海道日記1

先週末はライブをするために北海道に行っていた。高校の修学旅行で富良野に行ったり、去年はゲルをたてるために浦河に行ったりしていたけど、札幌をウロウロしたのは初めてかもしれない。心理的な距離はだいぶ縮まったのでまた気軽に行きたい。


2024/03/22

  • 昼まで仕事をしてから神戸空港へ。 保安検査通過後に時間があったのでクレジットカードの特典で使えるラウンジに入ってみたところ、ドヤ顔のおじさんおばさんしかいなくて、なんかバイブスがよくなかった。
  • 往路の飛行機はエアドゥ。いつもピーチとかジェットスターばっかり乗っているのでサービスが手厚くて恐縮する。飛行機でギターを預けるのも初めてだったけど、わざわざ専用の箱に入れてくれて丁寧だった。機内提供の昆布だしスープがうまかった。
  • ススキノのジンギスカン屋でメンバーと合流。肉厚の羊がうまかった。先に到着していた別のメンバーたちのインスタを見ると薄切りの肉を焼いていて、それを見ながら「えらいお上品やな」「食べやすそうなお肉ですなあ」などと煽るノリが発生。あとで全員集合したときにも直接言ってしまって、北海道にいるあいだずっと煽りあうことになってしまった。
エアドゥの昆布スープ、うまみ成分だけを飲んでいるような異常な体験(帰りに買った)
ギターは箱にいれて運んでくれて親切

2024/03/23

  • 昼間スタジオで2時間練習したあと、リハーサルまでの合間に昼食へ。油そばスープカレー・寿司チームに分かれることになり寿司チームとして店を探すが、3店舗くらい行って全部満席で入れなかった。気落ちしたままライブハウスに向かうと、スープカレーチームも同じく食べられなかったらしい。それをLINEで知った油そばチーム(満腹)は煽る気満々で帰ってきたが、みんなあまりにも暗い顔をしているのでなんも言えなかったとのこと。
  • スーパーのパック寿司を見つけて食べてみたらめちゃくちゃうまい。みんな回復した。ネタもうまいし、ご飯もふわふわだった。フレスコ(京都のスーパー)のパック寿司ってご飯がカチカチになってません?
  • テレビ塔の前でメンバー・サポートメンバーのみんなと記念撮影。3月下旬だが雪がけっこう残っている。韓国人らしき観光客カップルが写真を撮りあっていて、撮ってあげましょうか〜とかいえればよかったのだが全然目が合わなくてタイミングをつかめなかった。あとで思うと、こっちは男ばっかり9人でゲラゲラ笑ったりしていたので、むしろ避けられていたのだと思う。反省した。
  • ライブは盛り上がって無事に終了。北海道出身のドラマーの友達がたくさん見に来てくれていて、いい雰囲気だった。対バンもみんなかっこよかった。喃語(というバンド)また見たい。
  • 打ち上げまでのあいだ、宿に機材を持ち帰るために車を借りて往復する。メンバーのナビに従って角を曲がると同じ車線の前方から車がやってきていて、一方通行の道を逆走していたのだった。札幌の中心部は京都みたいな碁盤の目になっているが、3車線くらいある道でも一方通行だったりする。なんで?
  • 結局店のラストオーダーに間に合わず、宿に戻って飲む。居酒屋からテイクアウトしてきてもらったポテトがうまくて(甘い!)、さすが北海道だった。
ガチガチすぎる駐車場

魚をめぐる冒険

ライブで北海道に来ていて、せっかくなので寿司を食べてみたりしている。それで寿司を食べるたびに考えることだけど、寿司の値段とはいったいなんなのか。

今日は千歳に泊まるので、とりあえず宿の近くのお寿司屋さんに入って、上にぎり寿司というのを注文した。カウンターのお寿司屋さんの上にぎりは10貫1,980円である(うまい)。

奮発した気分だがまあこんなもんか、と思っているとお会計のとき女将さんに「実はこちらのミスで、お出ししたのは特上にぎりだったんです」と、ウフフって感じで告白された。お会計は変わらなかったけど2,480円の特上にぎりを食べていたのであった(ラッキー)。

もちろんめちゃうまかったんだが、しかしライブ前にリハの合間に食ったスーパーのパック寿司698円もそれなりに感動するレベルでうまくて、正直2,480円の特上にぎりと比べて1,782円ぶんの差があるかと考えると、ちょっとよくわからなくなってしまう。差がないというわけじゃなくて、差があるとは思うもののどこに差を感じているのかつかみかねるかんじ。

自分が激しく信頼を寄せている定食屋のから揚げ定食880円と比べるとどうだろう。脳にダイレクトに響く満足感という意味ではから揚げ定食が勝っているようにも思えるし、なんかええもん食ったなという充実感でいうと寿司2,480円の方が強い。

この差はいったいなんなのか。もちろん漁師さんたちが海にくり出して荒波の中から獲ってきてくれたお魚を新鮮なうちに運んで腕利きの大将の調理で食べていることを思うと、2,480円喜んでお支払いします! と思う。しかし、じゃあ農家が一生懸命育てた鶏肉をええ感じにカラッと揚げるのはなんでそんな安いのか? とも思う。不思議である。

どっちがいいとか優れてるとかじゃなくて、世の中のモノの値段というのは曖昧なもんだなという話。ちなみに札幌で行ったわれわれのライブのチケットは3,300円(別途ドリンク代600円)でありました。特上のにぎり寿司に負けないように頑張っています。